起業への情熱と夢。多くの方が抱くこの大きな思いの裏には、隠れた落とし穴が待ち受けています。私も一度、この挑戦の中でつまづきました。お金を節約しすぎることが良い結果をもたらさなかったのです。ここで、私の体験談を共有します。これから起業を目指す皆さんにとって、私の失敗があなたの成功への礎となれば幸いです。読んでいただくことで、同じ過ちを繰り返さず、より確実な一歩を踏み出す手助けとなることを願っています。
私の起業と失敗の教訓
起業する際の過度な節約は成功への道を阻む
私には実は、2度の起業経験があり、現在は2回目を続けています。1回目の起業は30代前半のころに挑戦しました。そのときは、持っている資金が限られていたため、個人事業主としてスタートしました。会社設立には費用がかかり、税理士にも相談する必要があったからです。
当時、利益が出れば法人化するつもりで、それまでの期間はできる限りの節約を心掛けることにしました。幸い、事務所に関しては業務委託の条件で小さなスペースと電話を提供してもらえることになり、その代わりに業務報酬を少し減額することで、ほぼ無料での利用が実現しました。これは非常にラッキーな出会いでした。
節約を重視した私は、名刺やプレゼンテーション資料を自分でデザインし、家のプリンターで印刷する方法を取り入れました。名刺の材料はラベル用紙を使用し、費用は500円程度で済みました。連絡先はフリーメールを使用し、電話は私の携帯番号をそのまま使いました。
ホームページも必要だと感じ、以前の勤務先からもらったドリームウィーバーを使用して、1週間かけて制作しました。確かに、そのホームページは今思うと初心者っぽく、あまり質の良いものではありませんでした。無料のサーバーを使用し、URLも独自ドメインを取得せず、サーバーが提供するアドレスを利用しました。
私は当時、スタート時には無駄な出費を避け、必要最低限のものだけを揃えることが最善だと信じていました。そうして準備を整え、営業活動を開始しました。最初は以前の職場のつてを活かして何とか売上を上げていましたが、徐々にそのリソースも枯渇し、1年足らずで事業は終了となりました。終盤には私の給与すらまともに稼げなくなってしまいました。
会社員としての再スタートから学ぶこと
私の1回目の起業は1年で終わりを迎えました。資金が底をつき、1年後には転職活動を開始しました。新たな勤務先では、成功する起業家の特徴や人脈の重要性に目を向けるようになりました。そうした中で、様々な分野の起業家たちと交流する場として、人材交流会に頻繁に参加しました。その場で、様々な興味深い話を聞くことができ、多くの刺激を受けました。
人材交流会での名刺交換を通じて気づいたことがあります。私のように手作りの名刺やフリーメールアドレスを使用する人もいれば、プロ仕様の名刺やきちんとしたホームページを持っている人もいました。考えてみれば、取引を考慮する側からすると、手作りの名刺やホームページを持つ者より、プロのようなホームページを持つ人や会社との取引を希望するだろう。明らかに、比較された際に、私のような形式では勝ち目がないことが伝わってきました。
もちろん、私が起業に失敗した理由は、その一点だけではありません。具体的な戦略がなく、考え方が浅かった点も反省しています。
しかしその中でも、名刺やホームページという信頼を得るためのツールに十分な投資をしなかったことは、大きな失敗の一因と言えるでしょう。本物のビジネスを展開する以上、手作りの名刺やホームページを持っていては、相手方の取引の意欲を失わせてしまう。どれだけ対面でのアピールができても、ビジネスは総合的な判断のもとに行われるのです。
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